生活

2007年11月26日 (月)

再会

ベスト電器にばかり行くのもいかがなものかと、DVDプレーヤーとTVをつなぐケーブルを買いに郊外にあるCourtsという大型複合ショッピングビルへ行ってみました。日本のイオンから食品売り場をなくした感じの家具や電化製品などを売っている店です。Courts

ずいぶんと探したのですが、自分では見つけられなかったので、店員さんに声をかけました。その店員さんが振り返ると、「アレ?」どこかで見たことのある顔です…。すると、その彼も「アレ?」という表情をしました。一瞬の沈黙…。思い切って、「僕は、あなたを知っていると思うのですが…」と言うと、向こうも「そう、僕らは会っています」と言うではありませんか。

「えっ、どこでですか?」。「テレビ買いに来た人でしょ?」と。その店員さんはベスト電器でTVを買った時(以前のブログ参照)、僕の担当者が奥で店長と価格交渉している間に、製品の細かい説明をしてくれた人でした。

「どうして、ココにいるのですか?」。「こっちに転職したんだ」。「いつ?」。「先週」。「そうだったの」。「TVの調子はどう?」などなど。偶然、旧友に会った感じで、2人で盛り上がりました。ケーブルを買いたい趣旨を話すと、彼が売り場まで案内してくれました。なぜかTV売り場とは離れた、健康器具売り場に置いてありました。これでは見つかるはずがありません。

いくつか種類があったので、「どれがお勧めですか?」と訊くと、彼は周りを見渡して、誰もいないのを確認すると、首を振りながら言うのです。「ベスト電器に行け」。「え?」。「ここのケーブルは高い。ベスト電器なら、半値以下でケーブルは手に入る」。「そうなの?」。「ベスト電器がベストだ」。会社のアシスタントと同じダジャレを言うではありませんか。「なんという親切な人…」と、僕は感動と感謝の気持ちでいっぱいになり、涙を流しながら店を後にしました。

その足でベスト電器へ。また来てしまった…。そして、売り場を見つけると、確かにその通りで、半値のケーブルがありました。それを手にした時でした。「お客さ~ん!」。背後から中年の半笑いの店員が声をかけてきました。「それ、買うつもり~?」。「はい」。「やめた方がいいよ~」。「なぜですか?」。「フフフ、なぜだと思います~?」。知らんがなっ!

彼の説明によると、値段は伝達力(画質)に比例するらしく、購入したTVの機種を伝えると、この安いケーブルでは映像クオリティが活かせないとのこと。だったら、一番高いものが良いのかと訊くと、「お客さんのテレビで、そこまでのケーブルは必要ない」と即座に一蹴されました。結局、両者の中間クラスのケーブル購入を強く勧められました。「オレを信じろっ!」。説明の間で、何度もこれを言うのです。半笑いの顔が、その時だけ、急に真顔に変わるのです。ほとんど竹中直人の芸です。ベスト電器タカシマヤ店、恐るべし個性の集まりです。

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2007年11月23日 (金)

1ヶ月経過

早いもので、赴任して1ヶ月が過ぎました。このブログも1ヶ月。 この間に、「ブログを書いている時間があるならば、もっと英語の勉強をしたら?」という貴重な意見を頂きました。まったくその通りです。しかし、これは、仕事の一環なのです。

会社の思惑は別のところにあるかもしれませんが、僕個人は「海外の広告会社で働くことを身近に感じてもらいたい」ので書いています。まだ見ぬ誰かの挑戦心を刺激したくて書いています。

世界へ出入りできる仕事には、優秀な人が集まるからです。 東京オリンピックの時、サッカーの試合の観戦チケットは売れ残っていたそうです。日本のサッカー人が世界へ出入りしている現在では考えられないことです。

退路を断って挑戦しないと、何も成せないと思っていたため、帰化して外国人になることを最終目標にしようと考えていた時期もありました。「日本での経験を輸出し、世界での経験を輸入するのがキミの役目だ」。赴任前に、師匠の小田桐昭さん、尊敬する岡康道さんに言われました。この言葉のお陰で、ずいぶんと気が楽になりました。

僕はまだ、何も成していません。しかし、今、アメリカのクリスピンで辻野さん(元電通)、オランダの180で川村さん(元博報堂)が必死に戦っています。日本の広告界が、もっと楽しい仕事場に生まれ変わるために、新しい次元に行くために、世界を体験した人材がこれから沢山必要です。3人よりも4人の方が沢山輸入できます。

後につづく人を待っています。

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2007年11月19日 (月)

オーストラリアからの封書

先週、1通の封書がオーストラリア政府から送られて来ました。「…?」。空けると、交通違反罰則金の督促状が入っており、違反期日、罰則金、支払い期日が記してあるのです。ちょうど、広告賞の審査員としてシドニーに行っていた時期と重なるので、焦りました。「何かの間違いだっ!」運転はしていません。

たしかに、間違いでした。前の住人と思われる他人名宛になっていました。「えっ!? ちょっと待てよ…」。ここは新築で、前の住人はいないはず…。ということは、つまり、ここのオーナーか?すぐにオーナーの名前を調べました。すると、違う名前なのです。じゃあ、誰なんだ、コイツは?

翌日、会社のアシスタントに誤配達の手続きをしてもらい、Photo帰宅すると、またもやオーストラリア政府からの封書が送られて来ました。また、違反切符です。記載事項は別物です。そして、また翌日。また、別の封書が…。短期間で何回違反してるんだ、コイツは!

(写真はクリックすると大きくなります)

コイツは、なぜ、シンガポールの新設定の住所を知っており、オーストラリアで偽の住所を語っているのか。コイツは何者なのか。すべては謎です。しかし、コイツが間も無く「免停」であることだけは明白です。

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2007年11月15日 (木)

体位

タイトルが「初体験」という意味深な響きだったためか、昨日のブログは写真も使用していないのに、アクセス数の新記録を樹立しました。よって、今日はブログの中身とは関係のない「さらに刺激的なタイトル」にしてみました。これで新記録が出れば、中身は関係ないということで、毎日、AV並みのタイトルにすることにします。

「甲子園には魔物が住んでいる」。高校野球を見たことがある人ならば、一度は聞いたであろう有名なフレーズ。どうやら、僕の家の玄関先にも魔物が住んでいるようです。

先日からお伝えしている「ホイホイ消失」&「祈りの仏像出現、消失」事件。今朝はナント、踵が消えました! 

Photo

靴を後ろから見た写真です。見えますか? 踵部分が、かじられたように無くなっています。しかも、右足だけ。昨夜まで、確かに全部ありました。 なぜ!? 何のため!? (写真はクリックすると拡大します) 

シンガポールの家は土足ではありません。この家の下駄箱は、地下にある玄関の外にあります。当然、靴も玄関の外に置いてあります。 明朝、メンテナンスのBandiに訊いてみますが、さすがの彼も、踵をゴミだとは思わないでしょう。 謎です。ガリレオ福山に頼みたい気分です。

そして、タイトルとは関係の無い今日のブログは終わるのでした。

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2007年11月11日 (日)

ホイホイの結末

Photo 前回、日本から買って来て設置したゴキブリホイホイが一夜にして祈りの仏像に変わっていた話をしました。(←証拠写真)

その翌朝、今度はその仏像が、跡形も無く消えたのです…。(↓証拠写真②)

Dsc00053_2 Bandiに訊くと、「今度は、俺は捨ててないぞ」と。もう謎だらけです。どこに行ったんだ、ホイホイ&祈りの仏像。

「ゴキブリは成仏した」と解釈すればよいのでしょうか?誰か教えてくださいっ!!

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2007年11月10日 (土)

タクシーその2

昨日の夕方、日本でも関東に上陸した家具の“IKEA”でヤカンなどの家事道具を大量に買い込んで、タクシーに乗りました。(タクシーネタが多過ぎるという批判もありますが、そもそも、ネタではありません。すべて事実です。)

Photo このタクシー、乗った瞬間に怪しい空気が充満していました。運転手さんの顔は、江夏豊に恐ろしくソックリです。日本シリーズの対近鉄戦でスクイズをしようと試みた石渡にウエストボールを投げた伝説の投手です。(詳しくは、『江夏の21球(山際淳司:著)』)その江夏が、ダッシュボードの上に金色に輝く祈る仏像と爆笑している仏像を飾っているのです。(写真はクリックすると拡大します)

仏像の足元には、小さな生花と水が綺麗に供えてあります。この人は善人に違いありません。昨日無くなったティシュペーパーとトイレットペーパーを買うために、スーパーマーケットに寄ってくれるように頼みました。すると、江夏は即答で「No!」と。「17時に交代なので、オマエの自宅まで行くことしかできない」と。へりくだって何度頼んでも、「No!」の一点張りです…。

作戦を変えて、仏像周りを褒めることにしました。すると、反応あり!江夏は嬉々として、その飾りの説明をはじめました。しばらくして、彼の気分が良くなったであろう頃を見計らって、もう一度頼んでみました。即答で「No!」。万策尽きたか…。Photo_2

その時です。仏像の左側に、新品のポケットティッシュペーパーの束を発見!3段×4列。なぜ、そんなに沢山のティッシュを置いているのか、と尋ねました。彼は、ニヤリと振り返って答えました。「ガールフレンドとキスした後に唇を拭くためさ」と。「・・・・プ、プププッ…」、ここで笑ってはいけません。

必死に堪えて、「そんなにガールフレンドがいるの?」と訊きました。「当たり前じゃ。俺くらいになると、キスだけじゃない。F〇CKもする。その後に使うのさ」。江夏は嬉しそうに言いました。「えーっ、勤務中に!?」。「そうだ。へへへ…、誰にも言うなよ」。もう超得意気です。「そんなに必要ないでしょ?」。「俺にはさ、沢山のガールフレンドがいるんじゃ」と江夏。

それからは、ここでは書けない下ネタで大いに盛り上がりました。「で、オマエ、どこに行きたいんだっけ?」。「だって、交代の時間なんでしょ?」。「気が変わった」と、江夏はスーパーへ連れて行ってくれると言い出しました。

スーパーでの買い物を終え、江夏のタクシーで自宅まで来ました。「ありがとう。助かったよ」。「いいってことよ。それより、トイレを貸してくれないか?」。「どうぞ」。江夏は小走りでトイレへ入って行きました。そして、出てくると、火の点いたタバコをくわえていたのです!シンガポールでは建物の中では100%禁煙です。Barであっても吸えません。「おいおい、家の中で吸うなよ!」。抗議をしました。「俺とオマエの仲じゃないか。オマエも吸うか?」と、悪気無く言うのです。どんな仲やっちゅうねん!根元まで吸い終えた江夏は、ウチの敷地でタバコを踏み消すと、去り際に「きれいなトイレだな。気に入った」と。キュルルルル…とタイヤを鳴らして、アッと言う間に消えて行きました。

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2007年11月 9日 (金)

ホイホイのその後

明日、Bandiが来るのを待って、昨夜の僕のホイホイの行方を訊くつもりでした。しかし、今日、出掛けに玄関を開けると、三度、ホイホイもコンバットも跡形もなく消えていました…。そればかりか、ホイホイを置いた場所には、Photo_2 祈りを捧げる僧侶の像が置いてあるではありませんかっ!えーっ!!??

(写真はクリックすると大きくなります。僧侶像の右側が我が家の敷地で、左側が隣人の敷地)

「捕まったゴキブリたちを成仏させます」という誰かのメッセージなのか…。隣人の仕業なのか?どうして、僕のホイホイは毎回捨てられてしまうのか?ますます謎は深まっていくのでした…。

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2007年11月 8日 (木)

洪水その2

昨夜、一週間ぶりに家に戻ると、キッチンが洪水になっていました…。タクシー事件の後だったので、かなりヘコみました。

Photo( 写真はクリックすると大きくなります)

冷蔵庫からか、食洗器からか、ずっと水が流れ出ていたらしく、大理石の床が変色していました。床の水を拭いて、今朝目覚めると、またもや水が出ていました。

メンテナンスのBandiを呼ぶと、「この大理石の床はかなり高いんだぞ。これはヤバイぞ」と。彼は、原因を探すよりも先に特殊な薬品を持って来て、変色した床をきれいにしてくれました。その後、2人で原因を探しましたが、結局、見つからず…。今晩、帰宅すると、洪水はもっと酷くなっていました。たぶん、食洗器の配管が上手くいっておらず、そこから水漏れしていると思われます。明日は、インドの新年にあたる日“Deepavali”で休日です。インド人のBandiは当然休みです。水道の元栓を締めることで、乗り切ることにしました。

さて、一週間前に帰国する日の早朝。玄関を開けると、そこには無数のゴキブリの死骸が…。かつて見たこともない、おぞましい数でした。隣りの家政婦が嫌がらせでウチの前に捨てたのか…。とにかく尋常ではない数に、日本からゴキブリホイホイを買ってこようと決心しました。そして、昨夜、帰宅してすぐに、ホイホイとコンバットを玄関前に設置しました。

Photo これで、もう大丈夫!朝、何匹入っているか楽しみです。安心して眠りにつきました…。

そして、今朝、キッチンの再洪水を見て、Bandiを呼ぶために玄関を開けると、昨夜設置したばかりのホイホイもコンバットも跡形もなく消えているではありませんか!

「Bandi、昨夜、俺がここに設置していた黒い四角いモノと紙の家みたいなものを知らない?」。「あっ、アレ、オマエが置いたの?捨てたよ」。「あれは、日本から買ってきたゴキブリを退治するものなんだ」。「見たことない変なカタチのモノだったから、てっきりゴミかと…」。僕は一週間前に目撃したおぞましい光景を伝えました。「あぁ、あの前夜にゴキブリ駆除剤をパイプに散布してたんだ。すっごい数が死んでたよね」。彼曰く、もうゴキブリはいないから、大丈夫だと。念のため、もう一度設置することを彼に伝えました。

そして、今晩、帰宅すると…。またもや跡形もなくホイホイとコンバットは消えていました。僕の英語がまずかったのか。留守の間に、すごい数のゴキブリが入っていたのか。謎です。とりあえず、明日は彼がいないので、三度設置してみることにします。そして、僕のホイホイに何が起きたのか、明後日、Bandiに訊いてみようと思います。

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2007年11月 7日 (水)

タクシー

深夜便でシンガポールに戻って来ました。空港からはタクシーに乗ります。こちらのタクシーは何といっても安い。ある運転手さんによると、「どこまで行っても、一番高くて30ドル(約2,400円)だよ」と。琵琶湖の面積と同じシンガポールは、端から端まで行っても約35分しかかからないとのこと。空港から自宅までが約25分で、約20ドル。その運転手さんに、「日本では会社から自宅まで深夜タクシーに乗って、200ドルかかってたよ」と話すと、急ブレーキをかけて振り返り、目の玉が飛び出そうなくらい驚いた顔で、「にっ、200!!!?? オマエ、それじゃあ、マレーシアまで行けるぞ!」と。それくらい、タクシーの運賃に関しては差があります。それなのに、日本では今、タクシー料金を値上げしようとしています。政府は外貨を稼ぐための方策のひとつに観光を掲げていますが、これでは国際競争力がなくなります。

さて、今夜乗ったタクシー。明らかに僕を違う所へ連れて行くのです。「ここじゃありません」。「分かってます」。「じゃあ、なぜここに?」。「・・・・」。「道を知らないのなら、タクシー会社に訊いてください」。「・・・・、もう一度、住所を教えてください」。再度、住所を伝えると、「ガッテン、承知の助」というような中国語を発し、何かをつかんだというような笑顔で進み出しました。

再度、明らかに違う場所へ。「ここでもありません。僕の家のすぐそばに、ACS(アングロ・チャイニーズ・スクール)があります。地元では有名だと聞いています。ご存知ですか?」。「知っています」。「では、そこへ連れてってください」。再度、「ガッテン、承知の助」。

三度、違う場所へ。「頼みますから、会社へ電話して訊いてください。もしくは、降ろしてください」。しかし、無視。完全無視。運転手さんは地図を広げ、ひとり唸りだしました。「オマエの住所は地図にない。オマエは間違っている」。「これを見てくれ」。住所の書かれた労働ビザを見せました。「おかしい…」。「おかしいのは、アナタでしょ!」。突っ込まずにはいられませんでした。

訊くと、まだ運転手暦3ヶ月。中国系の中年女性です。「前職は、ドリフの番組で笑いのサクラをやっていました」と言われたら信じていたでしょう。そんな顔つきです。ちょっとパーマをあてています。代わりに僕が地図を見ました…。新しいのに、地図はボロボロです。この人の3ヶ月間の苦労が見て取れました。あぁ、この人も僕と同じなんだ…。そう思うと、腹が立つよりも、この人と一緒に、この人の運転で何としても家へ帰ろうと、決意が湧き起こりました。

ありました!僕の家の通りの名が。運転手さんに見せると、「さっきはなかった…」。少し腹が立ちました。

やっと家の前に着いて、腕時計を見ると、乗ってから1時間15分が経過していました…。荷物を降ろし、振り返ると、おばさんが涙目で言うのです。「本当にごめんなさい。私、とっても謝ります。このことは、会社には言わないでください」と。きっと、この3ヶ月で何度も苦情が入っているのでしょう…。「言いいませんよ。それよりも、途中でタクシーメーター切ったでしょ?幾らですか?」。「25ドルです」。「!?」。「本当は35ドル欲しいよ。でも、私が悪かったから、サービスしとくよ」。凄いです。さすが前職はドリフのサクラです。深夜なのに、「サンキュー」のクラクションを鳴らし、ドリフおばさんは一方通行の道を逆走して闇に消えて行きました。

また、シンガポールでの生活がはじまります。

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2007年10月28日 (日)

洪水

住まいは新築のテラスハウス。ひとつの建物に数軒が連なっています。

Dsc00018 各戸にはバブル付きのジャグジーがあり、敷地内には住人専用のプールが付いています。数年前からの土地バブルのため、一戸が2億4千万円以上するそうです。大家は台湾で働く銀行の役員です。投資物件だと思われます。

目と鼻の先に、ACS(アングロ・チャイニーズ・スクール)という名門私立の中高一貫男子校があります。日本でいう麻布や開成のようです。こちらでは、学校のある地区は他の地区に比べて住居が高いそうです。

赴任以来、毎日、何かが起きます…。例のベスト電器で電子レンジを買って帰宅すると、洗濯機の置いてある地階が水浸しになっていました。

Dsc00023_2

携帯のカメラで撮ったので見難いかもしれませんが、床に映っているのは溜まった水面に映った照明と天窓です。   どうやら排水溝が詰まっているために洗濯機の水が逆流したようです。

この建物専属の修理工(マンションの管理人みたいな存在)のBandiさんに頼んで、修理をお願いしました。

Dsc00024_3 修理している彼が、「アンビリーバボー!」と何度も叫ぶので見に行くと、驚いたことに配水管からセメント屑(写真の黒く見えるもの)がたくさん出てきました。きっと建築工事の過程で、余ったセメントを配管に捨てたのでしょう。日本では考えられないことです。

修理が終わり、水に浸かった彼のために足拭き用のタオルを提供しました。彼は頑なに固辞したばかりか、自分のズボンで足の水を拭いて、その後、床をきれいに掃除してくれました。こちらには職業的な階層があるようです。道路工事、ゴミの収集などの汚れる仕事はインド系の人たちがやっています。あまり知られていませんが、日本も粗大ゴミの集積場には日本人はほとんどおらず、イラン系や中国系などの外国人が働いています。

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2007年10月27日 (土)

ベスト電器 その2

ビリージョエルを熱唱する店員には心惹かれるものの、閉店まで15分しかありません。テレビ購入に全神経を集中させることにしました。とあるブランドのTVにDVDプレイヤーとホームシアターシステムがキャンペーンセットになって特価で売られていました。さて、シンガポールドルで値切り交渉は可能なのか?特価でしたが、試してみました。「英語もロクに話せないのに、特価なのに値切るのか?」僕を担当していた店員は明らかにそういう表情を浮かべていました。こちらがカタログに希望の数字を書き、彼が別の数字を書く。なかなか両者の溝は埋まりません。しかし、僕はこの駆け引き自体が面白くなって、途中からは嬉々としていました。一方、彼は常に極めて冷静で、「これが私の権限で出せる限度額です」と、一歩も譲りません。「じゃあ、店長と話しをさせてくれ」。店側からすると、そうとう嫌な客です。彼はしばらく考えた後、「分かりました。私が行って来ます」と、奥の扉へ消えて行きました…。

閉店の時間がきて、シャッターが下りはじめました。他の店員たちが後片付けをはじめました。最後のシャッターが下りてモーターの音が止まり、店内に一瞬の静寂が訪れたその時でした。奥の扉が勢いよく開き、両手にカタログを広げた彼が走って来るではありませんか。僕の前で急停止すると、「I can! You can!」奥で何があったのかは知りませんが、さっきとは別人のように興奮しています。彼はまるで、判決の後に「勝訴」と書かれた紙を持って報道カメラの前に走ってくる原告代理人のようでした。何だかは分からないけれど、ある種の感動が湧き上がりました。僕らは固い握手をして、この勝訴の喜びを分かち合いました。

「明日の午後、CATV会社がケーブルの敷設に来るまでに配送してもらえる?」と無理なお願いをしたら、彼は、「通常は絶対に無理だけれど、なんとか手配してみるよ」と言ってくれました。

翌日、少し遅れて配送車が駐車場に入って来ました。駐車場は地下にあり、逆光になるので最初は分かりませんでしたが、運転手につづき、助手席から降りてきた男性は、なんと昨日の店員でした。個人商店ならともかく、大型店の売り場店員が配送を手伝うことはあり得ないことです。驚いて、「昨日はありがとう。なぜ、キミが来てくれたの!?」と訊くと、少し間があってから彼は言いました。「配送係に転属になったんだ…」「えーっ!?」

言葉を失いました。それって、もしかして昨夜の値切り事件のせい?あの時、扉の向こうで店長と何があったのだろうか?昨夜の彼の興奮した姿を思い出し、僕は反省と謝罪の気持ちで一杯になりました。彼は何事もなかったのように黙々とTVを運び、設置作業をしています。

「申し訳ない。昨日、僕が値切ったせいで…」作業後、僕が謝罪すると、「本当は配送の手配が間に合わなかったから自分で来たんだ。オマエが困ると思ってさ」と。安心したのと同時に、彼の親切心が沁みました。「売り場は大丈夫なの?」「昨日、オマエが買ってくれたから大丈夫」。シンガポールが好きになりました。

また、キャンペーン特典のホームシアターセットは、領収書を持って別の会社に取りに行かなくてはいけないのですが、まだ土地に不慣れな僕の代わりに彼が取りに行って次の休日に彼自身がわざわざ設置に来てくれるそうです。彼の名前は、Danny。ベスト電器タカシマ屋店のテレビ売り場にいます。いい人に出会えて、感謝。僕も、いい人になりたい。

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2007年10月26日 (金)

ベスト電器

昨夜、ホテルから借家へ引っ越しました。家族はまだ日本にいます。まだテレビも電話もインターネットも設置されていない新築の借家で孤独な一夜を過ごしました。23時頃に家に着き、荷解きが終わるとあまりにもすることがなくて困ってしまいました。反復横跳びにも飽きたので、敷地内にあるプールで深夜のスイミングを試みようとウッドデッキに出ました。ふと、空を見上げると、そこには満月が…。

ウッドデッキに寝転がり、真頂点に来た月と流れ行く雲をしみじみと眺めていると、夜のエンターテイメントが少なかった古代の人たちが月を待ちわびて、その満ち欠けする形を「待宵月」「立待月」「臥待月」などど呼びたくなる気持ちが分かりました。味噌をつまみに日本酒を飲みながら、短歌を詠みたくなりました。前者の2つはなかったので、水着姿のまま短歌だけはいくつか詠みました。返歌をくれる者もおらず、17歌目で完全に泳ぐ気が失せたので、風呂に入ることにしました。この家には空の見えるバスタブがあります。3割くらい湯が溜まったところで待てずに入りました。フルスロットルで熱湯を出しているのに、なかなか湯温があがりません。それどころか、ついに冷水に…。これでは狭いプールに入っているのと同じです。早速、本日の夕方、温水タンクの修理になりました。

プール風呂から上がり、やたらと音の大きな換気扇のスイッチを切ろうとしたところ、電源が切れません。スイッチ自体は上下に動くのに、電源がONになったままなのです。カチカチと何度もやっているうちにスイッチカバーが取れてしまいました。きっと今も激しく換気し続けています。これまた、本日の夕方に修理です。

話は帰宅前に遡ります。シンガポールには西日本ではお馴染みのベスト電器が沢山あります。例のアシスタントが「明日のCATVの工事がある際に、テレビがないと工事の成否の確認ができないから、今日中にベスト電器で購入してください」と何度も言うのです。「ベスト電器でないとダメですか?」「ベスト電器がベストです」閉店は21時30分ですが、アシスタントの言葉に押され21時10分に慌ててベスト電器タカシマヤ店へ駆け込みました。

予想以上に広い売り場面積でした。各メーカーのブースが設けられ、薄型テレビが所狭しと展示してあります。日本と異なるのは、ブラウン管テレビはもう売っていないことくらいです。まさに、日本のベスト電器そのものです。いろんなタイプ、サイズがあって、どれも同じくらい良く見えます。自分の中の基準を明確に決めないと20分間で購入するとこは不可能です。日本メーカーを中心に物色していると、Pioneerブースから大音量でビリージョエルの音楽BGMと人の声が聞こえてきました。製品のPRをしているのでしょう。見ると、メガネをかけた中年の店員が一生懸命、「これは音がすごくイイ!」と言っています。そのPRが終わると、突然、その店員がBGMに合わせて歌いだしました。微妙に音程がズレています。閉店前で客もほとんどいません。何で歌っているんだ!?もう気になってしまって仕方がありません。僕の担当をしている店員に尋ねました。「なぜ、彼は歌っているの?」「製品のPRのためだ」「でも、お客さんは誰もいないじゃん」「いる。ホラ、あそこ」彼が指差した方には冷蔵庫売り場があって、かなり離れた場所から夫婦らしき男女が熱唱する店員を見ていました。「カラオケ好きな人には効果がある」と。「でも、彼はあまり歌が上手くない」と言うと、「それは認める。俺の方が上手い」と。

偶然にも、今夜は会社の若者たちのカラオケ大会があり、誘われました。朝まで歌うそうです。やはり、あの店員の売り方は間違っていませんでした。

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2007年10月24日 (水)

2日目

要望に応えて、このブログが本格始動する11月1日以降は写真を交えます。しかし、今は、デジカメが手元にありません。しばし、お待ちください。

本日、こちらの銀行に口座を開きました。これがないと給料を払ってもらえません。例のとてつもなく親切なアシスタントがオフィスの裏にあるDBS BANK(地元では大手らしい)に連れて行ってくれました。僕の前を歩く彼女は、道路の段差を指差し、水溜りを指差し、まるで僕がハイヒールを履いているかのように注意を促します。車道しかない道路で、あまりにも後ろ下方ばかりを見て歩くので、彼女は2度クルマに轢かれそうになりました。これは危ないと思って彼女の横に並ぼうと歩みを速めました。彼女は僕より前を歩くのがガイドの務めと決めているらしく、2人の歩行スピードは徐々に上がり競歩が始まりました。サモハンキンポー主演の香港映画みたいでした。ハイヒールを履いていたら、確実に負けていたと思います。

口座を開設し、住宅ローンの残る日本の口座への送金手続き終え、オフィスに戻ると人事から連絡がありました。気を利かせて、日本の人事に「残っていた有給をこちらのオフィスに持越してよいか」と確認してくれました。即答で、「ダメ」とのこと。なぜ?同じ会社なのに…。代給を含めると30日以上ありました。間違いなく、今夜、もったいないお化けがでます。

オフィスの中はかなり静かです。デスクは作業をする場で、発言する場は会議室みたいです。話している人も小声です。かなり天井が高いから、声が響かないというのもあります。「Really?有給、全部パー!?」などと叫んでいる人はおらず、早くも僕が一番うるさいと思います。隣りの席のアメリカ人のKPと呼ばれている男が昼ご飯のデザートに桃を丸かじりで食べていました。皮をむかずに桃を食べる人間を初めて見ました。それも、2個…。

その桃男KPと組んで仕事をすることになりました。とある食品ブランドのリージョナルキャンペーンです。仕事を対等で進めるためにも、仕事以外も対等な存在でありたいと思います。今度、みかんを丸ごと食べてみせようと考えています。2つは無理だけれど。

口座を開設した銀行から電話が掛かって来ました。「日本の口座番号が書かれていないから、明日、また来てくれ」と。「書いてくれって言わなかったじゃないか。この電話で番号を伝えるよ」「ダメだ。お前はニセモノかもしれない」「自分の口座から自分の口座へ送金するニセモノなんていねぇよ!」「とにかくもう一度、明日、来てくれ」と。同行したアシスタントがそのやり取りを心配そうに見ていたので、「一人で行けます」と明日は競歩しないことを伝えておきました。

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2007年10月23日 (火)

赴任開始

ひとり、深夜便でチャンギ空港に到着。

タクシーに乗ると、中年の運転手が「ナニ!?これからシンガポールに住もうというのか?やめた方がいい。シンガポールはもう終わりだ。政府が悪い。庶民の生活はどんどん苦しくなる。お前も早く日本に帰った方がいいぞ」と…。経済が急成長したために土地バブルが起き、物価は上がり、もはや庶民の給料では家は買えないそうです。車窓に流れる綺麗に整備されたハイウェイを眺めながら、複雑な気持ちになりました…。

会社が準備してくれたホテルはスイートとまではいかないけれど、無意味にとても広くて、そのことで急に孤独感に襲われました。慌ててテレビをつけると衛星チャンネルで演歌の番組をやっていました。気がつくと、森進一の熱唱をBGMに反復横跳びをしていました。

本日、初めての出社。

人事の人から契約書の内容について説明を受け、沢山の書類にサイン。「リージョナル・クリエイティブ・パートナー」という聞きなれない肩書きに関して質問すると、「CDよりも上のシニアポジション扱いである」とのこと。いきなりの出世に戸惑いました。しかし、「解雇の時は一括して3ヶ月の給料を払います。または、3ヶ月前に告知をします。」とも。改めて契約社会であることを認識させられました。

デスクに案内されました。

直属の上司であるカイメンタムのガラス張りの個室のすぐ横です。彼から僕の姿は丸見えです。これでは悪いことができません…。パーテーションを要求しましたが、即、却下。

シンガポールの人たちは、想像していたよりも親切です。リージョナルの8人のチームに2人いるアシスタントは僕の尻まで拭いてくれそうな勢いで、あれやこれやと面倒を見てくれます。

借家の鍵の受け渡しに行くと、新品のエアコンから熱風しか出ません…。引越しは延期されました。しばらく、反復横跳びができそうです。

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